兄の襲撃

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 確かに、食材を持って行ってやる、久しぶりにうまいもの食わせてやるからなって書いてあった。  お兄ちゃんは私が料理できないのをよく知っているし、食べる専門だったのも知ってる。だから、きっと気を遣ってくれたんだろう。  ばたばたと十五分くらいで走ってアパートへ着いた。急いで部屋へ入り、窓を開ける。  久しぶりすぎて空気が悪い。  まずい、冷蔵庫空っぽかな?開けるとペットボトルの水くらいしかない。  あと、梅干しとアイス。私ってどんなだよ……自分で突っ込みを入れてしまった。  以前の私は本当にどうしようもない、  使えない女子だったが、最近は彼のお陰で変身した。お茶も上手に入れられるし、コーヒーだって会社で部長に驚かれた。エッヘン。  実は桜井さん達に何かあったの?って聞かれた。どうも疑われている。  伏見さんと桜井さんには絶対ばれてる気がする。私、課長のこと結構じっと無意識に見てるから……。  と、そんなことはどうでもいい。急いで部屋を片付けていたら、ピンポーンと音がした。まだ連絡してないのにどうして? 「はーい」 「俺だ」 「今開けます」
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