兄の襲撃

13/20
前へ
/236ページ
次へ
「それにこのアパート駅から遠い。しかも何でお前一階に住んでるんだ?危なすぎるぞ!」 「あ、そ、そうだよね。引っ越ししようかと今探しているんだ……」 「台所は……お前、ここ全然使ってないじゃないか。どういうことだ?全く自炊してないだろう。水の跡さえない。おい、すみれ!」  ビクッとしてお兄ちゃんを見た。 「あ、最近使ってなくてね、あはは。料理苦手だし、バイト先だったコンビニで買った方が安い……」  ジロッと私を見て、保冷袋から冷蔵庫に食材を移していく。 「調理器具もろくにない。一応持ってきて良かったな」  そういうと、バッグから箱を出して、マイ包丁から何から何まで出し始めた。ひええ。 「鍋はあるのか?」 「うん、一応あるにはありますが……」 「まあ、いいや、足りなかったら買ってこよう。米は?」 「……ありません。レトルトしか」 「すみれ!」 「ごめんなさい」 「ったく、そんなんで結婚できるのか?少しはやらないとまずいだろ」 「うん。最近そう思って習い始めた」 「習い始めた?何を?料理を?」
/236ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1324人が本棚に入れています
本棚に追加