兄の襲撃

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「だから、絶対お前がいるから別に女捜さなくてもいいって思ってるんじゃないか、あいつ。親父がその話をまだしているって事は向こうと通じてるんだよ」 「お断りするよ。今度帰ったらお断りする!」 「どうやって?」 「どうやってって、その、他にもきっといい人がいると思います的な?」 「……そんなの今更だろ。今までどうして言わなかったかっていう話だよ。それより一番の問題は、お前を嫁にやることでうちの料亭に何か有利になる条件を親父が話しているんじゃないかって事だよ。母さんもそれを心配してる。すみれを売るような事は許さないっていっつも言ってるぞ」  そうなんだ。お母さん、ありがとう。 「俺もそう思う。それに、次世代の板前頭のしげさんと俺は、親父と違って料亭の格は下げずに、門戸を広げたいと思っている。それこそ、レディースデイとか内輪の集まりとか、使ってもらえるようなイベントをしたり、ブログで料理を紹介したりしようとか考えてるんだ」 「すごいね、お兄ちゃん。それいいよ。絶対人が来る。sns使ったりすると評判になるかもしれないし……」
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