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「そうだろ。綺麗な盛り付けとかさ、インスタ映えしそうな食材とか使うのもありだと思うんだ」
私はパチパチと拍手をしてお兄ちゃんすごいと褒めまくった。
「……だから、すみれ。お前がそいつと政略結婚させられないでもすむように変えていくつもりだ。親父には一緒に説得してやるよ。それと、今の彼氏のことも一度紹介しろよ」
「それは、その、まだ結婚するわけじゃないのに、紹介するのはちょっと……」
「同棲させて紹介しないなんてあり得ないぞ。年上だろ?」
「うん。十歳も年上」
「ええ!?」
「そうだよ。だって課長だもん」
「じゃあ、結婚考えてるんじゃないのか?お前に言ってないだけで……一度俺と会わせろ。聞いてやるから」
「え、やめてよ、お兄ちゃん。そういうことは、本人達の問題なの」
「へええ、お前にしてはまともなこと言うじゃないか」
「だって、だって、無理言ったら嫌われちゃうよ……」
お兄ちゃんは優しい目をして私の頭を撫でた。ぐしゃぐしゃって。懐かしい。
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