兄の襲撃

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「可愛いこというようになったな。見た目も大人っぽくなった。これをあの御曹司が見たら余計お前と一緒になりたがるに違いない。ちょっと作戦を練った方がいいぞ。できるなら、その彼氏も力を借りるべきだな。縁談のはなしは彼にしているのか?」 「あ、うん。付き合う前にしてある。上京したときの条件とか……」 「ふーん。そいつ今日はどこにいるんだ?」 「実は実家に帰ってる。何か呼ばれて用があるんですって」 「そうか、タイミングが悪かったな。俺も夕方には新幹線に乗りたいんだ。このあと、今の師匠のお付き合いのある店へ行くんだ。勉強のためにな」 「そうだったんだ。ごめんね、時間大丈夫?」  そう言うと、時計を見ている。 「今頃、料理を作り終わっている予定だったけど、しょうがないな。この話のほうが重要だ。冷蔵庫の中身はお前の彼氏に作ってもらえ。料理うまいんだろ?」 「うん。すごく上手なの」 「それは楽しみだ。彼を紹介しないと、親父が納得しないだろ」 「そんな。彼なしで一応説得する。それでもダメなら……」
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