兄の襲撃

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「ダメなら、縁談だぞ。もう断れないかもしれない。そんなこと知られたら怒られるんじゃないのか?事前に相談すべきだな」  う。確かにそうかもしれない。知られたらきっとすごく怒られる。黙っている私を見てお兄ちゃんは立ち上がった。 「すみれ、とりあえず時間がないから俺行くわ。一度彼氏連れて帰省しろ。ここ引っ越すならなおさらだ。母さんも心配する」  そうだった。家の問題もあった。正式に同棲するなら紹介しないとまずいよね。 「わかった。彼に聞いてみてまたお兄ちゃんに連絡するね。今日はありがとう。気をつけてね」 「ああ。すみれも頑張れよ」 「お母さん達にもよろしく」 「ああ。じゃあな」  そう言うと、空のボックスを担いで出て行った。  
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