突然の縁談~沢島side3

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突然の縁談~沢島side3

 可愛いすみれの寝顔を見ながら、おでこにキスをした。全く目の覚める様子がない。  明け方近くまでイチャイチャしていたせいで、彼女はぐっすりだ。お陰で俺はすっきりしていい目覚めだ。  付き合いだしてそろそろ一ヶ月以上。部内でも俺達のことを疑っている女子社員もいる。  元々、俺達は会社で漫才をしていたような関係だった。  あいつが俺を見る目が違ってきているのがわかるので、他人にはそれが見えるのかもしれない。  かく言う俺も、彼女のことを叱れなくなった。ふと見せる仕草や目線が可愛くて、会社でも抱きしめたくなることがある。  社内恋愛は大変だ。以前付き合っていた時はやはりゴタゴタした経験もある。  ライバルがいたりすると面倒だ。まあ、すみれはそれらしきライバルになりそうなやつは最初から牽制してきた。面倒なことはなさそうだ。  今日、母に呼び出されたのは、俺が商品開発課へ戻って課長になったとしたら、実家の商品も売らないかという話があり、その相談だと言われた。  犬猿の仲だった篠田課長が専務と喧嘩して、転職するらしい。
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