突然の縁談~沢島side3

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 木村さんは従順そうでいて仕事ができるとなれば、母のお眼鏡にかなったんだろう。  乗り気なのも見ていればわかる。だが、無理だ。  俺はすでにすみれと同棲していて、向こうの親にもキチンと挨拶して同棲を許してもらおうと思っている。  いや、同棲させてくれと言って頷く親などいない。やはり、結婚前提でと話さない限り、大切な一人娘と暮らすことを許したりしないだろう。  とにかく、俺はすみれ以外を全く考えていないので、母さんの問題は後で何とかするとしよう。  木村さんには、お詫びしてお帰り頂いた。母さんはまだ来ない。  俺は父さんにメールして事の次第を伝えた。そして、結婚を考えている女性と同棲していると伝えた。  母さんが上機嫌で戻ってきた。木村さんがすでに帰ったのを見て顔が青ざめた。じろりと俺を睨んだ。 「誠司まさか、お前、追い返したんじゃないでしょうね?」 「そんなわけないだろ。キチンと説明してお断りしておいた。父さんにもメールしたから安心してくれ」 「ちょっとどういうことなのよ?なんで、お付き合いもせずお断り……」
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