突然の縁談~沢島side3

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 ゆばとか、これはなんだ?とにかく生ものも結構あるな。 「お前が料理できないのにこんなに持ってきてどういうことだ?お兄さんは料理しようと思って持ってきたんだろ」 「アパートへ戻ったのが昼過ぎで、お兄ちゃんから連絡きてから急いで戻ったんですけど……全部、誠司さんのせいですよ!ばれてしまったんです」  ばれた?ああ、同棲のことか。  それはそうだろうな、突然アパートに帰って、それを見せたら長い間住んでいなかったことくらいばれるだろう。  でも、なんでそれが俺のせいなんだよ。 「俺のせいはいいすぎだな。部屋の状況を見て気がついたんだろ?」 「……違うもん!これのせいだもん!」  そう言うと、部屋着の首元をめくって指さした。見ると、鬱血の後が数カ所見えた。ああ、そういうこと……。 「男といるのかと聞かれたんだな?」  真っ赤になってこっちをぷるぷるしながら見ている。可愛い奴。 「誠司さんのせいで、お兄ちゃんに問い詰められて、は、恥ずかしい思いをさせられた!」
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