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立ったまま泣き出した彼女にびっくりして、抱き寄せた。
「ごめん、悪い、何も返事してくれないから意地悪を言った」
彼女は腕の中でグスグスいいながら答えた。
「……う、嬉しくて。嘘みたいだから。私のこと将来のことも考えてくれていたっていうのが嬉しくて、何か胸がいっぱいになっちゃって、すぐに答えられなかっただけなの」
頭を撫でてやる。相変わらず子供みたいな泣き方。そこも可愛いけれどな。
「すみれさえ良ければ婚約してくれ。プロポーズはその時が来たらキチンとしてやる。今は、結婚前提にお付き合いしているということでお互いの親に紹介するか」
「……え？誠司さんのご両親は別に結婚決まってからでもいいんじゃないですか？」
「いや、それがそうでもなくてな。今日行ったら、お見合いみたいな状況だったんだ」
「……ええ！？本当ですか？」
「そう。母さんにはめられてね。というか、父さんの部下だったんだが、ご令嬢でね。大丈夫そんな顔すんな。断ったから。ただし、お前がいることを話してきたから今後こういうことがないようにさせるためにも一度会わせないとまずいだろ」
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