不思議な再会~沢島side1

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「沢島課長。何ですか、その理由。確かに面接爆笑しましたけど、使えるかは別ですよ。久しぶりにうちの部で女子と男子両方取るんですから。直接全員面接したんですし、人事は青田買いが許されるんですよ。他にも使えそうな子いるでしょ」 「いや、彼女は使えるよ。コンビニでの対応を見ていたが、根性がある。あのちょっとおかしな感じもいい。うちは忙しいから、お笑いは部内の活性化に必要だよ」 「まあ、確かにそうですけど。武田はお笑いとは真逆ですもんね。ラグビー部出身とかで体育会系だし。ただ、体力はありますよ、きっと」 「じゃあ、須田の力仕事は大半が武田に代わってもらえそうじゃないか」 「ええ。嬉しいですよ、やっと……」  ここ二年、男性はうちの部に入っていない。異動で来た奴はみんな須田より先輩。彼はいつになっても一番下だったのだ。武田が入ることは彼にとっては天国への入り口に見えるかもしれないな。  女性は二年ぶりだ。ほぼ毎年入るが、ここは忙しい部署だし、守秘義務もある。適当な気持ちで入ってくる子は一度厳しく叱られたりすると、すぐにいなくなったりする。だから定期的に取るのだ。
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