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すみれの実家
誠司さんと話し合って、月末の土日に行こうということになった。ところが、土日はお客様の予約が結構入っていて忙しいといわれて、まあ、確かにそうだよね……そこで思いきって有休を取って行くことにした。
私は金曜日から有休を取った。事情を聞くため先に入るのだ。
土曜日は昼夜ご予約がいっぱいで、日曜日は昼のご予約が多くて、夜は数件しかないと聞いた。
それで日曜日の夜は板前さん達に任せて、お父さんは彼と日曜日の夜に話す予定。だから彼は月曜日だけ有休。
私は久しぶりに実家へ帰るという理由だったので、みんなこんな時期にどうしたのと聞いてきたが、ちょっと用事があってとごまかした。ま、確かに用事があるのは間違いではない。
お兄ちゃんは春から戻ってくる予定で、今はまだ隣の市の料亭で働いている。でも、私が帰る日は来てくれると約束した。そうじゃないと見合いを壊す相談ができない。
「ただいまー!」
「おかえり、すみれ。まあ、勝俊が言ってたとおりだわ。綺麗になったわね、すみれ」
お母さんは私を上から下まで見て、にやにやしてる。意地悪だなあ、もう。今日は首筋に何もないけど、一応ハイネック。
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