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そう言うと、お母さんの代わりにドンドン運んでテーブルに並べた。お兄ちゃんがうまそうと歓声を上げた。
「勝俊、それでお前は予定通り戻れそうか?」
「ああ。春には帰る予定」
「そうか。あちらの師匠はお元気か?」
「ああ、お元気だ。父さんによろしくってさ。お酒ももらってきたよ」
「そうか。お前も戻るときに何か持って帰れ」
「ああ、そうする」
「……すみれ」
お父さんが私をジロッと見た。急に話を振られてびっくり。口の中には唐揚げがいる。
「……ふぁい?」
「お前の縁談、そろそろ進めるぞ。あちらから急かされてね。代替わりさせたいらしいんだ」
「お父さん、その話はお断りします」
私は箸をおいて、しっかりとお父さんの目を見て言った。
「どうして?」
「お付き合いしている人がいます」
「それがどうした?結婚するわけじゃないし、お前には見合い話があると話してないのか?」
「話してあります。だから、日曜日こっちへ会いに来てくれます」
「……父さん。その見合い話の裏は何もないのか?ホテルに進出するとかじゃないのか?」
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