すみれの実家

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 お兄ちゃんが間に入ってくれた。良かった。お父さんはちろりとお兄ちゃんを見て言った。 「それは別に条件ではない。結婚させる頃にうちの店がどうなっているかはわからなかったし、そっちは考えさせてくれと前から話してある。だが、見合いは御曹司がその気なんだ。すみれのためにとりあえず就職して三年の猶予は与えてくれと言ってあった。すみれにも言ってあったよな」  最初から私の意見なんて聞いてくれてないじゃん。 「……お父さん。すみれのことはすみれの意思に任せましょう。そうじゃないと不幸になります」  お母さんが言ってくれた。 「すみれはその付き合っている男がいいのか?どこのどいつだ?」  私は深呼吸をして、お父さんに話し出した。 「会社の上司です。十歳年上です。とても格好よくて頼りがいのある人です」 「そんな人がどうしてすみれと?」  お父さん、ひどい。 「お前は、料理は出来ない、家事はできない、出来るのは勉強くらいだったが、もしやだまされたのか?」 「だまされてないもん!」 「じゃあ、どうして付き合ってる?」
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