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「お父さん、お兄ちゃん、急にすみれの彼氏が来てくれました」
「「は?」」
ふたりは凄い勢いで食卓から顔を上げた。
「お食事時に突然お邪魔して申し訳ありません。本当は明後日の予定でしたが、お兄さんにも出来ればお会いしたかったので……はじめまして、沢島と申します」
彼は、部屋の前で綺麗に頭を下げた。
あっけにとられたお父さんを横目に、お兄ちゃんが挨拶した。
「沢島さん、すみれからこの間上京したときに少し話は聞いてます。あ、この間の冷蔵庫の食材、料理してもらえましたか?」
「あ、とても美味しかったです。山菜のあく抜きしたものも、美味しく頂きましたし、色々ありがとうございました」
「美味しかったよ、お兄ちゃん。ありがとう」
「やっぱりあなたに料理してもらったんですね?」
「いや、彼女も手伝いましたよ。最近できるようになりました」
「そうですか。いや、会社でも上司で、プライベートで料理も教えてもらうとか、こんな妹ですがよろしくお願いします」
「……ちょっと待て。何を勝手にこいつにすみれをお願いしてるんだ」
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