縁談騒動

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縁談騒動

 翌日、ふたりでお父さんの料理を食べたあと、同棲の許しをもらえた。とりあえず、同居していたことを正直に話したのが良かったのか、諦めたのか、両親は誠司さんを認めてくれた。  会社にも同棲とばれてもいいという考えであれば、生半可な気持ちではないだろうというお父さんの嫌みたらしいひと言が効いた。  私はとりあえず月末までに部屋を片付けようと今日も午後半休を取って片付けにきていた。なんだかんだで間に合わなくなりそうだったからだ。  窓を開けて空気を入れようとしたときだ。見たことのないスーツをきたメガネ姿の男性がタクシーから降りてきた。しかもアパートの前。そっと窓から覗いて見た。  すると、その男性が私の方を遠目にじっと見ている。気持ち悪くなって、窓を閉めようとしたらその男性が走ってきて声を出した。 「田崎さんだよね?俺だよ!」  え?今、田崎さんって言った?私が動きを止めたところで彼が言った。 「良かった、俺だよ、俺!」 「は?」
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