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「えっと、あのですね、もしかして私に会うためわざわざ長野から来られました?」
「そうだよ」
「……いなかったらどうする気だったんです?今日は平日ですよ。たまたま午後半休でいましたけど」
「最初、会社に連絡した。そしたら午後半休だと言われて、こっちに来たんだ。良かったよ、こっちにいてくれて……」
「まさか、お父さんが連絡先を教えたんですか?」
「そうだよ。一応話は聞いたけど、一方的すぎる。本人と直接話さないと納得できないからと伝えたら、教えてくれた」
嫌な予感がしてメールを確認すると、母から先ほど連絡が来ていた。お父さんからさっき聞いたけど、もしかすると会社へ坂田さんが行くかもしれないと書いてある。お父さんが黙っていたから遅くなってごめんと……はあ、会社じゃなくて良かった。
「わかりました。この近くにファミレスがありますので、そこでいいですか?」
そう言って、彼を案内した。
「とりあえず、食事しよう。君は?」
「お昼食べてないんですか?私は会社で食べてから出てきたので、飲み物だけでいいです」
「なんかスイーツでも頼みなよ。一人で食べるの嫌だから……」
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