縁談騒動

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「わかりました」  そう言って、チーズケーキと紅茶を頼んだ。彼は昼間っからステーキを食べてる。 「それでさ、僕との縁談があるっていうのはわかってたよね?今まで断らなかったし、その気だったよね?」  フォークをこちらに向けながらすごい勢いで話し出した。うーん、色々残念な人だな。社会人になった今、昔は生温かい目で見てあげたことも、今はちょっと気になる。 「その気の訳がありません。卒業して直接先輩から一度も連絡を頂いてませんし、お会いしてもいませんよね?私は全く本気にしてませんでした。大体、どうして私?家柄とか考えるお見合いなら、先輩にぴったりのもっといい条件のお嬢さんが大勢いるでしょう?」 「君とは委員会で一緒に役員をしたし、知った仲だろ。今更会わなくても見合いを申し込んだ段階で僕の気持ちは伝えたはずだ。少し早いけど、代替わりと同時に結婚したいんだ。お父さんの話だと正式に見合いをしてもらってそのまま結婚になるはずだったんだよ」
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