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「ああ、すみれに言ってなかったのはお前にしか対処できないこともあるかもしれないと思っていたからだよ。その御曹司とやらがお前に接触する可能性は考えていた。それに関してはお前しかできないだろ。だから条件とかそういうところをお兄さんと解決しようとしたんだ」
「それで、昨日もお兄ちゃんが誠司さんのこと褒めまくっていたのね。ふたりで色々相談してたから……」
「いや、そういうことじゃなくて、お前の兄さんとは結構話が合う。俺より年下だが、はっきりしていて付き合いやすい。最初から壁がなくていい関係なんだ」
「それなら良かった。そういえば、誠司さんって兄弟いるの?」
「いや、俺はひとりっ子。お前がうらやましいよ」
「そうなんだ。じゃあお兄ちゃんが義理だけど兄弟になれるならいいね。気が合うのも良かった」
「とにかく、あとはその御曹司が折れてくれれば万々歳なんだが……」
翌週。兄から連絡があった。
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