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「……そうだな。桜井の言うとおりだ。でも注意深くする必要はあるだろうな。何かやってしまう前に立ち止まって考えた方がいい」
二人の前に行って、驚いた顔をした彼女に言った。
「課長、おかえりなさい」
桜井が言った。
「ああ、会議は疲れたよ。それで、田崎さんはどう?」
「今日は緊張もあるでしょうし、明日からですね。でも、一生懸命だし、大丈夫でしょう」
「……桜井さん。間違えてばっかりですみません。疲れたときは何か食べてもいいんですか?デスクの上にうちの焼き菓子置いている人がいますよね」
彼女の視線の先には食いしん坊で有名な伏見の机が見えた。机の上には数個の菓子が置いてある。彼女はうちの新しい商品をすぐに買って来て食べている。そういえば、田崎が面接で言ったことを実行しているのが伏見かもしれない。うちは食いしん坊だらけだな。
「あの席の伏見さんは、新商品やうちの気に入りの商品を常にストックして食べている人なの」
「そうなんですね!私もああなりそうです。疲れたらお菓子食べたくなるんです」
すると桜井が小さい声で言った。
「私は甘い物、実は苦手なの……」
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