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「田崎さん、お茶入れとかの仕事、他の先輩女子で一緒に分担するよ。随分やるのが遅くなったけど、これはそうすべきだね」
伏見さんが言う。
「確かにそうです。ごめんね、田崎さん。やらせっぱなしで二年間……」
「いいえ、お気持ちだけでも嬉しいです。ありがとうございます」
「それならなおさら、田崎には時間が出来るようになるな。きちんと成長して、来年入らない新人の分もここに貢献しろよ」
「遺言ですか、それ?」
私がじろりと睨んで課長に言うと、ニヤリと笑い返された。
「そうだな。そう思ったらやる気が出てくるか?」
意地悪。恋人なのに、どうして会社ではこんなに厳しいの?まあ、料理を教えるときも結構厳しいけど、出来ると横でハグしたり、頭撫でてくれたり……家では愛情がある。でも会社は冷たい。悲しすぎる。
伏見さんが課長を見て言った。
「課長こそ、田崎さんと離れて生きていけるんですか?彼女をいじめたり、いじったり出来ないと病気になるでしょ?」
「ああ、そうだな。だから、今集中的にいじめてるわけだよ。もう、出来なくなると思うと悲しくてな……」
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