1213人が本棚に入れています
本棚に追加
/236ページ
「ええ!?この会社にいるのに?桜井さん、どうしてうちに入ったんです?」
「それは、他が受からず……ああ、いや、まあ食品会社を回っていてここになったというか……」
そう、桜井は甘い物が苦手で酒飲み。女酒豪と呼ばれるうちの一番の飲み助だ。営業には行きたくないと言っていたのは甘い物を食べられないからだ。まあ、食ってない奴が営業してもしょうがないからな。
「うちの部署は色んな奴がいて楽しい部署だぞ。田崎さんもかなり面白いから丁度いいだろ?」
彼女は俺を見て不思議そうに言った。
「あの。どうして私を見ていつも笑ってるんですか?私そんな風に笑われることばかりしてるつもりはありませんけど……」
俺はあまり笑わないとちまたで言われる鬼課長。田崎を見るたび笑っている俺も変だが、俺相手で最初から言い返す田崎を見て桜井はびっくりしている。
「ごめん、これは思い出し笑い。君の……まあ、いいや。ごめん」
「……なんですか?」
「さてと。じゃあ今日は終わったら定時で帰りなさい。初日だからね、定時で上がっていいよ」
「あの……下の本店って何時まで営業しているんですか?」
最初のコメントを投稿しよう!