不思議な再会~沢島side1

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 あれから仕事に全てを捧げ、プライベートをあまり作らないようにして忘れようとしてきた。最近疲れてしまい、お笑い番組を見て、空虚に笑う自分にも疲れてきていたところだった。  そんなとき、俺の作ったケーキを買いに来ていたあの彼女をコンビニで初めて見た。苦情に健気にひとりで対応している姿を見て、とっさに庇ってしまった。  その後、彼女はいつも通り嬉しそうに店へ来て、いつものフルーツケーキを買って帰った。このフルーツケーキは俺が主導して作ったが、有紀と何度も試作をしてリニューアルさせた。俺にとって思い出の商品。  あれを笑顔でいつも買いに来る彼女を見て、ケーキを作れなくなっていた俺はどこか癒やされていたんだと思う。そしてその彼女のピンチをどうしても見ていられなかった。無意識に身体が動いて助けてしまったのだ。  まさか、その彼女がうちを希望して面接に来るとは思ってもいなかった。そして、俺とのエピソードを大切な思い出として面接で話してくれた。益々嬉しかった。  彼女を育てて、立派なOLにしてやりたい。そう思っただけだったのだ。
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