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「はい、はい。もう、お父さんみたい。ふああ……」
あくびをしながら頭を下げた。
「はあ?誰がお父さんだ!お前のお父さんなんてまっぴらごめんだ」
何を言っても聞いてくれなさそう。諦めた。眠いし、疲れたし。今日はもういいや。
「……わかりました。送っていただきありがとうございました。おやすみなさい」
すると、頭を撫でてくれた。
「ああ、あくびまでして子供はおねむだな。お疲れ」
そう言って、私が入るのをじっと見ている。入る前に手を振ると、振り返してくれた。家に入って窓から見ると、私の方を見ながら駅へ帰っていくのが見えた。
こうやって見ると課長ってやっぱり長身でイケメン。課長って怖いと思われているから、イケメンなのに恋人いないらしいと桜井さんが言っていた。部下の私を心配して、家にしばらくおいてくれるなんて、やっぱり恋人いないんだなと思った。
私自身は上京するまで兄と一緒に暮らしていたし、課長と同じような年齢の男性に対しておびえがなかった。
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