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「篠田課長。彼女に突っかかるのはやめてもらえますか?今日は別な話をしにきたんですよね?さっさと終わらせましょう」
私はこぼれたお茶をお盆に戻して布巾で机を拭いた。
「すみません、入れ直してきますので……」
「お茶はいれなくていい。出ていろ、田崎」
私は驚いて課長を見た。今まで見たことのないような怖い顔だった。すると、篠田課長が言った。
「ああ、まーた怖がらせてるよ。怖いよな、可哀想に……」
「失礼します」
私はそそくさとそこを後にした。出ると深呼吸。桜井さんがこちらに来た。
「すごい音がしたけど大丈夫?」
「本当に仲が悪いんですね。お茶はいらないそうです」
「……はあ、またやったのね。近寄らない方がいい。巻き込まれる」
「でもどうして……あの課長があんなふうになるなんて、何があったんですか?」
「いいから、早く仕事に戻りなさい」
聞くなという雰囲気があり、私はびっくりした。でもしょうがない、コップを洗い仕事へ戻った。
三十分もした頃、篠田課長が出てきて、ドアを勢いよく閉めると驚いてそちらを見たみんなを無視して出て行った。
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