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え?ええ!?それはまずい。私、家事は全く出来ないに等しい。
「あ、あの。私全く使えないと思います。だ、だから、その……」
「まあ、そうだろうな、この様子だと……」
「だから、やっぱりやめましょう」
「いや、やめない。他の使い道を考える」
「使い道って何ですか?」
「とにかく行くぞ。買い物もして帰るからな」
課長は戸締りをしろと言って、ガスの元栓をまるで我が家のように閉めている。私は諦めて、カーテンを引いた。
荷物は課長が持ってくれた。私は保冷袋をぶら下げて外へ出ると鍵をした。
ああ、こんなはずじゃなかったのに……。
「あー!」
「今度は何だ、一体?」
驚いた課長が振り向いた。
「着替えてなかった……まだ部屋着だし……」
課長は、私を見てまた吹き出した。
「さすがに買い物して帰るし、その刺激的な部屋着はまずいな……よし、後ろの駐車場にいるから、着替えてこい。荷物は持っていく」
「……はい。よろしくお願いします」
「せっかくだから可愛い服でも着てこい。時間はかけないでくれ」
「は?」
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