強引な誘い

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「おい。何で後ろに乗る?俺の横が嫌なのか?」 「……いえ、嫌ではありませんが、課長の横はそういう人が乗るんだと思って」 「そういう人?」 「特別な人か、課長の恋人、とか……私ごときが座るのは申し訳ないです」  課長は車に頭をつけて固まってる。どうしたのかな? 「いいから隣に乗れよ。お前は今日からルームシェアをするほどの特別な部下だ」 「特別って……本当にすみません。ご迷惑かけないようすぐに家を捜します」 「慌てなくてもいいから。それに、特別以外になる可能性もゼロではないぞ」  ニヤッと笑ってサングラス越しにこちらを見ている。特別以外になる可能性?干物女子なのだから家政婦も無理だとご存じのはずだ。 「お前。目がくるくるしてる。また、変なこと考えてるだろ。はあ……」 「とにかく、とっとと行きましょう。そして、とっとと引っ越し先を決めて出て行きますから」  課長が私をすごい目で見ている。 「そうだな。ここで漫才するのは恥ずかしすぎる。とっとと乗れ……よし、出るぞ」
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