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「普通の人よりは出来るという程度だ。お前の親父さんやお兄さんには遠く及ばない」
そうとは思えない。課長は結構出来るとみた。この部屋、この器具。キッチンの作り。結構凝り性なんじゃないかな?私は家でプロの台所を見ているからわかる。これは、適当な人がやる台所ではない。
「……そうじゃないことくらいわかりますよ。適当じゃないですよね?結構本気でかなり出来ると見ました。私は板前さん達の台所も見てるからわかります」
「まあ、食事は出来るとき俺が作ってやるからそれで判断しろ。少なくともお前よりは作れるのは確かだ」
「否定しません。楽しみです。うふふ」
「お前はそうやって、無邪気に俺の前でにこにこして……。はあ、俺はまた翻弄される。一体なんなんだろう?最近自分でもわからなくなってきた」
「まあ、いいじゃないですか。私、唯一少しは掃除ならできますから、言って下さい」
あ、ひどい目で見てる。
「いや、いい。お前に家事は期待していない」
あ、きっぱり言ったな。まあ、そうでしょうね。
「じゃあ、何をすればいいんですか?」
「そうだな、俺に癒やしと笑いを提供してくれ」
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