料理の師匠

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「わかった。特別に弟子にしてやる。厳しいから覚悟しろよ。では、今日からやろう」 「ええ!?今から?」 「まずは、うまいコーヒーとお茶の入れ方からだ」 「え?」 「お前の家で俺がいれたコーヒー飲ませただろ?うまいとおもっただろ?」  確かにその通り。びっくりするくらい美味しかった。今も美味しい。水のせいかなとか思ってたけど違うのか、やっぱり。 「こっちへ来い」  そう言うと、ドリップのコーヒーの入れ方を教えてくれた。コーヒーメーカーに頼らず、入れる方法。  なるほど、蒸らしてそれから入れていく。ふむふむ。私みたいにお湯をドバドバ入れたらだめなんだな、やっぱり。ゆっくりと注意深さが何より大切なんだ。 「お茶の入れ方もそうだが、これは会社でも役に立つ。これから、そうやって入れてみろ。格段に味が違ってくる。茶葉の値段のせいにするなよ。ほら、お湯を入れて急須を振り回すな」 「この方が早く濃く出るから……」 「お茶やコーヒー、紅茶も香りが逃げるような入れ方はだめだぞ」 「はあ、なるほど……聞いたことがあったけど、結局実践しないと身につきませんね」 「当たり前だ」
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