料理の師匠

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 それを覚えてくれていた桜井さんからプレゼントをもらって喜んでいたら、課長が驚いていた。  きっと私の誕生日だと知らなかったのだろう。  廊下ですれちがったとき、声を掛けられた。 「今日誕生日だったとは……早くそういうことは言っておけよ。今日はなんとしても夕飯作ってやる」  私は驚いて立ち止まり彼を見た。  私が仕事終わりの時間にはまだ課長は仕事をしていたが、私宛にメールが来た。  いろいろな食材が書いてあり、それを駅に近いスーパーで買って帰るようにと書いてある。  誕生日なのに買い物なの?でもよく見るともしかしてごちそうかもしれないと思った。  言われたとおりに買い物をして帰ってきたときには課長がすでに家にいて、料理を始めていた。そしてすごく甘い香りが漂っている。 「えー?課長、先に帰ってたんですか?この甘い匂いはなんです?」 「きちんと買えたか?」 「はい。色々買えましたよ。イチゴは何にするんですか?」 「そうだな。お前の誕生日だからとりあえず誕生日ケーキに使う。残ったら、ムースにでもするかな」
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