課長の過去

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「でもここに同居している。何も考えずに女の子を同居させるわけないし、君だって何も考えずにいるわけじゃないだろ?」  それはそうかもしれない。料理を習っているうちに、課長に特別な思いが生まれているのも事実だ。 「沢島もその気なんじゃないか?さっきの様子を見ればわかる。田崎さん、振らないでやってくれよ。前の彼女のときのこともあるからさ」 「何言ってんですか、春日課長」  私は呆れて春日課長を見た。告白もされてないのに、何故そういう話になるのよ。  すると、いい匂いがしてきて、足音がした。振り向くと沢島課長が鍋を運んできた。 「何を話してんだ。おい、春日、余計な話するなよ」 「まあ、いいじゃないか。お前のこと、彼女心配しているんだよ」  私が鍋敷きを持ってきて鍋を置く場所を作って、彼が鍋を置いた。 「心配?何言ってんだよ、心配なのはこっちだ。ぼけっとしていて、田崎は本当に困ったもんだ」 「すみませんね、ぼけっとしていて。なるべく早く出て行きますから」  鍋の蓋を開けたらいい香りがしてと海鮮がたくさん入っているのが見えた。
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