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「……はあ?何だと!?どうして言わないんだよ!?」
「澄川から口止めされてた。それに、お前をあの修羅場へ置いてきたことを悪いと思っていたみたいだ。でも、実家関係を考えるとあれでやっぱり良かったんだろ。取引がなくなるとお前の家にも迷惑がかかるだろ」
俺の母方は地方の小さな洋菓子メーカーだ。地元でいくつか店を出している。
父はサラリーマン。母方の祖父母、母の弟なども店をやっている。
俺は小さい頃から遊びながらケーキを作り、普通に出来るようになった。
製菓学校へ行ったのも、何も考えていなかった。
今いるこの会社は洋菓子メーカーでは大手。母方の店はイベントなどで一緒になって、ここの担当者と知り合いだった。
入社も俺はそのせいで特に何もせず決まってしまった。澄川は、自力で試験を突破して入った。俺より実力もあった。
「澄川に、お前に消息を伝えていいかと聞いたら、やっと許可してきた。理由はな……落ち着いて聞いてくれ。彼女結婚が決まったらしいんだ」
「……そうか」
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