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「ケーキも作れたし、もう安心だな。そうだ、これ。澄川から預かってきた。イチジクのパウンドケーキ、あいつが作ったらしいぞ。お前に食べて欲しいってさ」
ツインスターホテルのロゴの入ったカフェのバックを渡された。春日は俺の顔色を見て手を振りながら話した。
「ああ、心配すんな。俺も一本もらった」
「……そうかよ。春日、あいつの連絡先教えてくれ。連絡取ってたって言ったよな?」
「連絡先は変わってないんじゃないか?」
「いや。数回連絡したが、返事はなかった」
「わかった。あとでメールに入れて送っておくよ」
「ありがとう。色々とすまない」
「ああ、お前も澄川に負けないように次の恋を頑張れよ。じゃあ、ごちそうさん。彼女によろしくな」
「ああ。あ、待て。このワイン持って行け。お礼だ」
「いや、俺こそこんなに食って悪かったな。彼女の分なくなったかもしれないぞ」
「いや、いい。あいつにはまた別に作るから……」
「ほおお、それは随分と可愛いがってんだな……色々ごちそうさん」
そう言って、春日は帰っていった。
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