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真鍋 智樹(まなべ ともき)とは高校時代に出会い、お互いに都内の大学の医学部に進学した。元々、真鍋とは仲が良かったわけではなく、同じ大学の同じ学部――それも医学部ときたもんだから、同級生や先生方からは真鍋とセットでもてはやされたものだ――への進学が決まったのを知り、それから二人で話す機会も増えていった。
真鍋は陰気なやつだ。数奇にも進学希望が被っていなければ、一生交わることはなかったと断言できる。今こうやって、大学の講義の合間を縫って、時間を共有していること自体が奇跡だといえるだろう。
「つ、つまりこの小説に出てくるタコ星人が実在したとすれば、自分の腕を一本捨てる度に、腕に繋がる神経節を失うことになるんだ。ということはね、人間でいう、脳の一部の機能を捨てるのと同等のことが起きていることになる。だからタコ星人の人格は後半になるにつれて、過激になっていくんじゃないかな? と、友山君は、どう思う?」
「タコ星人が実在すればそうなんじゃないか」
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