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苦しくて辛くて死にたいから今日も自分を殺す。
それでも死ねないからあの地獄の日々を忘れないために、刻みつける。でももうとっくに限界を迎えていて。
音を立てて手から滑り落ちたナイフ。
「誰か、お願い。殺してぇ」
その言葉は虚しくも消えていく。
溢れ出てきた涙はそう簡単には止まってくれない。
膝から崩れ落ち、もういない伯父さんを思い浮かべる。
どんなに悲しくても死にたくても無情にも朝日は登っていく。アラームという自殺の終わりを告げる音が無慈悲に鳴り続けている。
あぁ、朝が来た。
「はぁーー」
長いため息をつき涙を落ち着かせる。
感情豊かになったな、私。
涙なんかとっくに枯れたと思ってたのに。
紬や優香のおかげ、か。
「ふぅ」
よし、今日も大丈夫。
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