命日

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着くと誰もいない事を確認してから今は何もない跡地を見つめる。 毎年ここに来ている。最初の頃は伯父さんと共に来ていた。 1人になってからも変わらず来ている。 ここは元は小児専門病院だった。 その頃は親切で丁寧で優しい先生がいて子供にも人気だと有名だった。だから信じたんだ。両親は。 あの悪魔をいい先生だと。 あの悪魔、院長は平気で私達を傷つけた。 何を目的としていたかは今でも分からない。 だけど、あれが許される事じゃない事だけは分かる。 そして何もかも失った時、伯父さんが迎えに来た。 それからは少し幸せだった様な気がする。 でも今は苦しいだけ。少し救いなのは親友の紬や優香がいる事。 持っていた小さな花束を何もない跡地に置く。 手を合わせて願う。どうか生まれ変われますように。どうか今度は幸せに暮らせますように。
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