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「お金さえ払ってくれればなんでも用意できる」
「金ちゃんはお金儲けするしか能がないの!?」
「失礼だな。北都がクズ制裁するのと一緒だろ」
北都さんはクズを制裁するお仕事でもしているのかな。
だから『お悩み相談』とか名刺に書いてあった?
ちょっとよくわからないから、後で聞いてみよう。
「そうだけど、ノリは今、お金ないんでしょ? じゃあ金ちゃんのお店でなにも買えないじゃん!」
「はい…先立つものがなくて…困っています」
困った顔を見せると北都さんが「大丈夫」と励ましてくれた。
「しょうがないね。金ちゃんはドケチだから、ぜったいにお金を払わないと欲しいものは売ってくれないんだ。だからまずはお金を貯めよう」
「ドケチは余計だ」
「ほんとのことじゃない!!」
ふたりが喧嘩を始めたので、航大さんが私に向かって言ってくれた。
「今のお話を聞いて考えたのですが、紀美さんの稼いだお金なのに、お給料を彼に取られているのがそもそもおかしいと思います。新しい口座を作って、職場に給料の振込先を変えて欲しいとお願いするのはどうでしょうか?」
「あ…思いつきもしませんでした!」
「コウ、名案じゃない! さっすが~♪」
バシ、と北都さんが航大さんの肩を叩いた。
「い”っ…っ!!」
航大さんは肩を押さえ、思いきり顔をしかめた。大きな音だったから、相当な怪力で肩を破壊させる勢いで叩かれたのだと想像する。痛そう~。
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