復讐クエスト1 / LV3

3/15
前へ
/276ページ
次へ
 そんなわけで私は今日、なんでも売買屋に立ち寄った。店内はやっぱりいろんなものが置いてあって、よろず屋的な雰囲気だった。その名の通りなんでも売っているので、所持金でなにか買えないものがないか金(きん)さんに相談した。  仲間になったし、万時さんって言いにくいし本人の希望もあって『金さん』と呼ぶことになった余談。 「離婚するには、やはり情報と証拠が必要です」  情報屋のような雰囲気で金さんが言った。「今まで不遇を受けてきて、なにも対策をしていないのが逆に不思議で仕方ありませんけどね」  めちゃくちゃ嫌味~!  この人のステータス、がめつい&嫌味のダブル仕立てだわっ。 「金さん。お言葉ですが、その状況を打破するために立ち上がったんです。虐げられるだけじゃなく、浮気までされて目が覚めました」 「モラハラ・経済DV・浮気の3アウトチェンジですね。バッター(伴侶)交代させましょう」  粋なことを言う。 「さて…証拠がなにもないようでしたら、まずは彼の動向をチェックすることが一番ですね。浮気はパターン化していれば尻尾を掴みやすいので、決まった曜日に出かけたり、休みを取っていることはないか思い出してください」 「土日は家にいないことが多いです。あとはわかりません」 「ふむ…では、彼にGPSでも付けましょうか」 「GPSですか…できるかな…」 「GPSアプリを仕込めばいいです。今どきスマホにロックをかけていても、指紋認証か顔認証でロックは解除できます。眠らせてしまったらこっちのものですよ。紀美さんにいいものを売って差し上げましょう」  そう言って金さんがカウンターから出してきたものは、1枚の名刺サイズの紙にQRコードが印字されたものと、ジップ袋に入った謎の白い粉だった。  …粉?(汗)  
/276ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2374人が本棚に入れています
本棚に追加