幸せ

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『桃花ー!!』 息切れで登場してきたのは私の旦那さん何ヶ月振りの再会だろうか..... 「た...だ....いま」 私の声は以前よりも出しにくくなっていた。 『もう喋らんくてええで!ホンマにごめんな!』 なんで陽が謝ってるんだろう。 『桃花家に帰ろ(*^^*)』 私と同じ気持ち悪い笑顔きっと何か隠してるんだろう。 だいたい私には分かる。 きっと長くないんだろう だって動けへんもん 陽は私をおんぶして家に帰った 『桃花!余命あと1ヶ月やって...それまでどうする!大阪にでも戻るか?』 あと1ヶ月か.... LASTは故郷の大阪に戻ることにした。 〜次の日〜 「大阪着いたで〜!』 いつにも増して陽は元気だった 呼吸しかできない私は声をあげることも出来なかった。 久々のデート陽は沢山粉もんを食べていた。 「うめぇぇ』 きっと黙ったら泣くんだろうなぁ 『高校の屋上行こうぜ!』 そう言って私たちの思い出の屋上に連れていってくれた。 『久々やなぁ!』 「そうだね....」 『久々に歌届けてもええ?」 私は頷いた 『次のライブで歌う歌やねんけど桃花にちゃんと届けてたいから聞いてください。 作詞 俺、作曲俺』 私は目をつぶって聞いた。 この曲は私と陽の約束を叶えてくれる。 歌が終わる頃私は目を開けられなくなった 心臓だけが動いている。 まるで意識がなかった時と一緒だ。 それなのに陽はちゃんと話しかけてくれた 「ええ歌やろ!桃花のトランペット入ってたらもっと凄かったんやけどなぁw」 陽は笑ってたけど泣いていた。 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 私はきっと予定より早く死ぬだろう。 自分の体調は自分が1番分かる。 陽ともっと話したかったもっと音楽聞いて欲しかった。 ありがとう陽 感謝でいっぱいやでほんま。 私は病院に戻ることにした今回は大阪の病院で。 雪城side 桃花は全く動かなくなった... 俺は桃花が死ぬ前に伝えたいことを言い始めた 『なぁ桃花ありがとうな! 俺がデビューできたのも、メンバーと向き合うことができたのも桃花のおかげや感謝やでほんま 先に行くとか言うなよ。おばあちゃんになっても俺の隣にいてくれよぉ...桃花は俺と隣でいて幸せやったんかな?俺ちゃんと支えられてたか?短い間やったけど桃花と夫婦の関係になれて良かった!最後にキスでもしとくか?大切なのはキスやないよなwもうすぐ春になるで! 桃花愛してる。俺は桃花が1番かっこいい生き方やと思う!って俺何言ってんやろwとにかく俺と出会ってくれて俺に音楽を与えてくれてありがとう(*^^*)』 本当に思ってたことを伝え終わった時 ピーーーーーと音がなった。。。 俺は小さい声で『お疲れ様』と呟いてお医者さんを呼んだ。
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