別れ

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別れ

陽は仕事に集中するため大学に行かなかった。 『桃花ー!』 「陽!お疲れ様♥」 私たちは週に3回は会う約束をした。 『今日な瀧本がな〜』 最近の陽は同じグループの人の話をするようになった 「瀧本くんかっこいいよね」 陽がいっぱい話すから 私はいつの間にか瀧本くんのファンになってしまった。 『俺ちゃうの??』 「いや瀧本くん!」 「なんでなん?』 「なんでもw」 こんな些細な話でも幸せを感じる。 こんな幸せで大丈夫だろうか? 私は悪いことが起こるんじゃないかと思っている。 「あのさ今日陽の家行ってもいい?」 『これから行く?』 「うん!今トランペット持ってるから聞いて欲しくて」 『桃花のトランペット久々に聞ける〜!』 ー大毅の家ー ♪♪〜♪♪っ 『どうした』 「あれ?」 『次の音忘れた?』 「う、うん....」 違う音を忘れたんじゃない... 今のは確実に手が動かなかった。 『そんな日もあるよな〜俺やってダンスど忘れする時あるし!』 「だよね〜w」 私は手が動かなかったことは手の体操をしなかったからだとそう流した。 『もう1回弾いて見ればええんちゃう?』 「そうだね!」 ♪♪~!♪っ 「なんで......」 『どうしたん?」 「いや、なんもない。」 次の音はわかる! でも手が動かない。 「ごめん。今日は帰る」 タッタッタッ 『桃花!!』 なんでだろ.... 走ったからわかる手だけじゃない。 足も動きにくい。 バタ なんで…動かないの?? 意識あるのに立てないの... そうこれこそが幸せ絶頂な私と陽を切り裂くものだった。
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