ルーム貝

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「ああ、電池が」 「まだしばらく持つとは思うけど……一旦ここまでにするか。あー、ここにコンセントがあったらなー」 「さすがにそれは厳しいよ」  タクヤはセーブして電源を閉じ、小さく身震いする。 「ちょっと小便したくなってきたわ」 「あ、僕も」 「一旦外に出るか。このゲームのことはまだ秘密な」 「うんっ」  また、ふたりで共有する秘密が増えた。  この居場所ができてからというもの、彼らの友情は余計に強まっていった。秘密の隠れ家でなら、どんなに言いづらいことでも話せるのだ。  教室では好きな子の話なんてできないけれど、ここならば話せる、秘密を打ち明けられる。楽しいことも嫌なことも、ふたりでたくさん語り合った。ここはただの部屋ではなく、心をさらけ出せる特別な場所なのだ。  ここは、僕とタクヤだけの秘密基地。
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