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火が通るのを待ちながら、彼らは口々に話す。
「罰ゲームで誰か食えよ」
「こんなもん食って死にたくねえな~」
「見た目はムール貝の仲間っぽいけどなあ」
「うん。俺もいけそうな気はするけど」
「って言ってるやつがノロウイルスになるんですよ」
「牡蠣じゃねえんだからさ」
「でもありそうだよな」
「なー。大変だけど頑張ってな」
「いや俺が食うんかい!」
「ははははは!」
真夏の青空の下、青年たちは缶ビールを飲みながら楽しく笑い合う。
高温の備長炭は静かに燃え、剣呑な遠赤外線を放ち、じっくりと二枚貝に熱を通していく。
やがて、貝殻の隙間からぷつぷつと汁が漏れ出し、旨そうな香りが周囲に漂い始めた。
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