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秘密基地で喋っていると、気が付けばもう夕方になっていた。そろそろ家に帰る時間だ。
「あっ、もう夕方だ」
「うおっマジか。腕時計持ってきてよかったな。そろそろ帰ろう」
少年たちは力を合わせ、貝柱を回す。ひとりだけだとなかなか疲れる作業だが、コツを掴んできたふたりはすぐに回し終えた。
「……ふうっ! いやー、やっぱいいなこれ!」
外に出たタクヤは、眩しい笑顔でルーム貝を拾う。
「漫画置いてきちゃったけどいいの?」
「いいよいいよ、これからはここで読もうぜ! 秘密基地のものはふたりのものってことで」
「僕、次はクッションとか持ってくるよ」
「おお! どんどんふたりで改造していこうぜっ」
「うん!」
こっそりと岩のくぼみに宝物を隠し、少年たちは帰路につく。
これから、この秘密基地はどんな風になっていくのだろう。
彼らは自分たちの居場所の発展を想像し、心を躍らせていた。
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