太陽と雪 ～子猫の冒険～

雪の日の思い出

　おうちの近くにいた生き物は、ボクたちきょうだい以外は、みんな石になっていた。

　いつもより遠くまで歩いても、誰も見つからない。

　気がついたら暗くなってきていて、その日は、近くにあった洞窟で眠ることにしたんだ。

　洞窟で、きょうだいたちと、ぴったりとくっついていても寒かった。

　そのうち、空が曇ってきて、ひらひら、ふわふわ、冷たいものが降ってきた。

　おうちからずいぶん遠くまで歩いてきたけれど、動ける生き物は、ボクたちきょうだい以外は見あたらない。

　みんな、石になってしまっていた。

　何が起きたのかはわからない。

　世界にボクたちだけ取り残されたような気がした。