2. 再会

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「ううん。むしろ突然来たいって言ったのに。ありがとう」 「いいのよー。大学忙しいだろうし、次会えるのはまた夏かなって思ってたから嬉しいわ。あ、今年もよろしくね」 「こちらこそよろしくお願いします」 「荷物貸しなさい。寒いから早く入っといで」 「ありがとう」    お言葉に甘え、ボストンバッグと紙袋をおじさんに預けてブーツを脱ぐ。  部屋に入ると、外とは別世界みたいに暖かい。  長距離移動のおしまいを肌で感じて、深く息を吐いた。 「あ、紙袋は全部お土産だよ。お煎餅はうちの親からで、赤福は私」 「赤福〜? 羽田で?」 「限定販売的な? なんか列になってて並んじゃった。カズ君て餡子好きだったでしょ」 「よく覚えてたね。一輝(かずき)喜ぶわ」 「……おばさん、カズ君は?」 「畳の部屋よ。コートかけとくから会ってあげて」  おばさんにお礼を言って、リビングダイニングと続きになっている畳の部屋に向かう。    線香の匂いが一気に強くなった。  胸がぎゅっとなるのに気づかない振りをして、両手を握る。    ゆっくり奥へ進むと、小さな仏壇に、笑顔のカズ君をみつけた。    一番会っていたころに記憶は引きずられるようで、私がパッっと思い出すカズ君は小学生の彼だ。  まだ声変わりする前で、背丈も同じくらいだった。    写真のカズ君は、なんだか少し大人すぎる。  でも知らないわけじゃない。  だってこれは私が撮ったのだ。  ちょうど半年前、東京の大学に通う友達に会いに来たカズ君に、偶然会ったから。
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