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「はっ、、、?」
やっと、姉の言葉を理解した私は、姉に問いただす。
「なんで?そんな、寿命を削ってまで、、、!」
「、、、家族の為よ。」
姉は、涙目になりながら答えた。
「お父さん、お母さん、、、実乃梨の為よ。」
ほろり、涙が落ちる。
一粒一粒、光を反射しながら。
私は、その姿に呆気に取られていた。
その涙が、あまりに綺麗だったから。
「私は、7歳の時だったかな、、、奇跡がまだ使えないふりをしてた。ほんとは、6歳から使えたのにだった」
奇跡は、最高5歳から、最低でも10歳から使えるようになる。
「分かってたんだろうね、自分の奇跡が弱いって、、、。でも、自分の家は名家で、弱いことがバレたら終わりだって、、、。だから、いつかバレる嘘を貫いてた。」
自嘲気味にそう言った。
「そんな時に、あの女と会った。」
白い長い髪の、黄金色の目の女だった。
姉は、芯ある声で過去を語った。
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