1/2

3人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ

「お姉ちゃん、、、そんなことのために、、、。」 「そんなことなんかじゃない!!」 姉が、初めて声を荒げた。 姉は、私に初めて怒鳴った。 ビクリ、と肩が上がる。 「私が弱かったら、誰が家を継ぐの!?私が弱かったら、誰が両親を安心させられるの!?どうせ実乃梨は、、、!」 そこまで来て、姉ははっと気づき、強く下唇を噛んだ。 噛み締められた唇は、真っ赤に染まっていた。 姉の言おうとしていた言葉が、私には分かっていた。 "どうせ実乃梨は弱者だから、私の気持ちなんて分からない!" 別に今更傷つかない。 逆に逆上しても最後まで言わなかった姉は優しい人だと思った。 弱者だから、弱者なのに。 そう言われるのはもう慣れた。 でも、、、。 姉の両肩に手をおいて、話す。 気づけば泣いていた。 「たとえお姉ちゃんより弱くても、、、頼もしくなくっても、、、相談して欲しかったよぉ、、、。」 静まった部屋に、私のすすり泣きだけが響いていた。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加