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「どうしたの?」
「雪から感じる思い出をもとに作品を応募したいんだけど、実はもう締め切りが近いのに何も書けていないんだ。虫のいい話かもしれないけど力を貸してくれないか?」
「らしいわね。じゃあインスピレーションで。あなたの思い出で雪っていえば何処なのかな?」
「雪...? まあ太平洋側に住んでいたからあまり思い出はないなぁ。むしろ子どもの頃の図鑑や百科事典の写真のイメージの方が強いかも。東北か北海道。サラッとした雪がしんしんと降っている」
「わかったわ。そうね。サラッとした雪なら本州ではなく北海道の方が合ってるかしら」
「じゃあ北海道で」
「雰囲気は詩ね。有名なやつ。私の上に降る雪は...」
「ごめん。詩はダメだ。嫌いじゃないけど」
「じゃあ短編にしましょう。そうね。今よりかなり前。といってもかなり昔ってほどでもないわ。貴方は農家の次男坊。うーん、十勝平野かな。帯広のちょっと北あたり。実家は牧畜とメロン栽培をしているの。家族構成は両親とお祖母さん、そしてお兄さんが一人いるの。想像力の翼を広げるのよ」
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