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揺れが収まらない。
いったいいつまで続くのかと思うほど長い間揺れたような気がした。
僕は何も何もできないまま、うずくまってしまっていた。
コップなど食器が落ちて割れ、棚の本が床に散乱した。
これまでに経験した地震とは明らかに違う。
震源地から百キロ近く離れているこの地でも震度5弱であった。
大変なことになったと思った。
※
まだ肌寒い二月の中旬の朝、満を持して〝月の海〟へ車を走らせた。
ナビにまかせ順調に車は店に到着した。
集落の外れにある、新しいログハウスがその店だ。
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