1人が本棚に入れています
本棚に追加
イートインには色数を抑え、ダウンとスカートそしてブーツのコーデでシックにまとめた一人の女性が焼き菓子(カヌレ)をかじりながら紅茶を味わっていた。
近づくと軽く目線があった。
僕は思わず心の中で〝えっ、うそ〟とつぶやいた。
彼女もまさかと驚いたように、大きく目を見開き何か言いたげな風で、僕の次の言葉を待っていた。
〝いや、待てよ。他人の空似ということもある〟一瞬、春秋したが、それでも思い切って声をかけてみた。
「美奈さん?」
「・・・はい」と何かを思い出すように返事があった。
「お久しぶり、ご無事でしたか?」と僕は言った。
最初のコメントを投稿しよう!